競馬と植木等伝説

植木等氏が亡くなったとの訃報に際し、ふと思い出したことがあります。

こちらの本で須田鷹雄先生が取り上げていたのですが、かつて、植木等有馬記念後にコンサートを開いたとき「伝説」が生まれたというのです。
G1レース*1のあとにパドックなどでイベントを行うというのは、帰宅客の混雑を何とか和らげようとするJRA腐心の策らしいのですが、そもそも大多数が一発当てようと意気込んでいるオヤジが多いのですから、イベントなんてやっても見向きもされないということが多かったようです。
しかし、植木等はそんな逆境の中で往年のヒット曲を一通り歌ってしっかりと馬券オヤジの心をつかむと、最後は「スーダラ節」で伝説を起こしたのです。私も本を読むまで知らなかったのですが、スーダラ節の2番は競馬でスッカラカンにスッてしまうという内容で、「馬で金儲けした奴ぁないよ わかっちゃいるけどやめられない!」というフレーズにさしかかると、馬券オヤジ達が大合唱をはじめたというのです。この話を聞いた瞬間、「この人は凄い」と正直思いました。やはり昭和のサラリーマンを演じてきたカリスマがそうさせたのでしょう。

ご冥福をお祈りいたします。

*1:最早この言葉もうかつに使えなくなるのか・・・