女子校という名の悪夢

女子校力 (PHP新書)

女子校力 (PHP新書)

こんな本を買いました。

「やだ〜、女子校っていうだけで買っちゃったんでしょう〜、やらしい〜」

って同期の女の子に言われちゃったりなんかしちゃったりして*1・・・ナハハ、困っちゃうなぁ・・・。


という妄想はさておき(いや〜、でも現実にそういう会社生活送ってる奴もいるんだよなぁ)、私がこれを手に取った理由は、高校時代にあった人生4大トラウマのひとつ*2を思い出してしまったからです。


私は、某埼玉県の某男子校に通っておりました。埼玉県というのは、公立の男子校、女子校がいまだに多く残っており、あの高校生クイズの名門である浦和高校や、ウォーターボーイズモデルとなった川越高校*3などがあり、それらの男子校と対をなすがごとく、同じ市内に女子校がある(浦和には浦和第一女子、川越には川越女子など)というのも特徴であります。


で、私が通っていた某男子校にも同じ市内に女子高があったわけです。


入学して間もないある日、担任である物理教師がこんなことを言い始めました。

「え〜、今度の○曜日の放課後、うちのクラス全員で○○女子高校の1年○組と交歓会をやるから、部活がある者は休むように」

教師がこんなことを言うのも何だとは思いますが、今思い返してみれば、そりゃ教師も毎日ムサい男ばっかり見てたら、たまには女子高生も見たくなるわなと納得できます。ともかく突然のことでしたが、教室はにわかに色めき立ちました。


(女子高の女の子たちと楽しくお話が出来る!?本当かよ)
(もしかしたらここで仲良くなってお付き合いなんてことも・・・・)


という思惑があったかどうか知りませんが、中学時代惨憺たる環境にいた私ですら、そのときは楽しいイメージしかなかったのはここだけの話にしてください。



交歓会当日、我々40名程度の男子一同は、期待と期待に胸膨らませながら、合法的に女子高の敷地内へ足を踏み入れることに成功しました。

「今日は茶道部の部室が会場ですので、こちらへどうぞ」

正直記憶が確かではないのですが、多分女子生徒の一人が案内をしてくれたような気がします。もう男子のテンションは絶好調!と気分はすっかり中畑清モードに突入しておりました。そして茶道部のふすまが開き、そこにはワンダースワン、じゃなかったワンダーランドが・・・。

???

まず、部屋に入って最初に気づいたこと。そこには確かに女子高の生徒がいました。しかし、人数がどう考えても我々の陣容と比べてかなり手薄です。

「圧倒的じゃないか!」

ザビ家長男ならそう言うかもしれませんが、いやいやそういう問題じゃありません。

「すいません、今日は部活で出られない子が多くて・・・」

えっ?こちとら陸上やらラグビーやらスポーツバリバリバリントンのイケメン男子ですらわざわざ部活を休んでまで来ているというのに、それに対して「あちきは男子校の生徒はいやでありんす」的な千早太夫並みのテンションの違い。ここからわが軍のカオスゲージは徐々に下がっていくのでありました。

とはいえ、女子は20人弱くらいはいます。まあ合コンじゃないわけですし、それなりに楽しい会話が繰り広げられるに違いない。そう思ってました。ただ、残念ながら私のような中学暗黒時代経験者は女子とのコミュニケーションがどうもうまくありません。でも大丈夫、うちには結構明るくてスポーツもできる男子もいるし、彼らが盛り上げてくれれば、その恩恵にあずかって会話もできるかも・・・。

しかし、数分後に目の前で起こった光景に、私はもうこの度の戦の負けを覚悟したのでありました。


茶道部の部室というのは、8畳一間を横に2つ並べたような横長の部屋で、女子生徒はその入って左に点々と座っていました。せっかく広い部屋なのですから、ゆったりと座るのが普通です。ですがわが軍の布陣は違いました。ぞろぞろと入っていった男子たちは、入って右側の壁際にびったりと張り付き、部屋の中心ががら空きという鉄壁の防御体制を敷いたのであります。
現実世界で、ロマサガ2よろしく陣形が組まれたのを目の当たりにしたのはあとにも先にもこのときだけです。

分かりづらい方に図を作成しましたのでどうぞ。

30過ぎてこんなもの作って、アホですね。


どうしたというのだ!まだ戦いも始まっていないうちに背水の陣とは!

担任の物理教師いわく、

「おいおい、どうした〜、もうちょっと前に集まれよ〜」

と呆れ顔です。しかし誰一人陣形を崩そうとはしません。いやはや素晴らしき結束力!


しかし、そんなチキン共にも女子高生様は暖かく接してくださいました。ビンゴ大会あり、なぜか茶室でビーチボールバレーありと企画までご用意賜り、ちょっと好プレーしようものなら「わ〜、すごい!」と盛り上げてまでくれる至れり尽くせり様。しかし、それでもわが敗軍のカオスゲージは全く上がることはありませんでした。微妙な雰囲気のまま、交歓会はあまりにもつつがなく終わったのであります。


そしてその後、落人たちの口から「交歓会」という言葉は二度と発せられることはなかったのでした・・・。


まあどうなんでしょうかね。男子校と女子校って合わないのかも知れませんし、私がダメなだけで他の方はよろしくやってる*4のかもしれません。
そんな落人伝説はまたとして、次回あったら書評に移ります。

*1:往年の故広川太一郎を思い出してください

*2:あとの3つは言う気にもなれない

*3:ちなみに元よみうりテレビのアナウンサー、辛坊治郎はこの川越高校出身というのは意外な話

*4:最近オッサンでも言わないな