メジャーマンセーを許してきたツケが今回ってきた

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080915-00000916-san-spo
「日本球界最悪のシナリオも…ドラフト制度揺るがす田沢問題」

何か、こういうことっていつかは起こるんじゃないかと思っていました。
今まででもアマチュア選手が直接メジャーリーグを目指すことは可能でしたし、実際直接メジャーに行った選手も多くいました。ただ、それが今まで大きく騒がれなかった理由、それは「プロにもなっていない日本人選手がメジャー行っても通用するはずが無い」という「思い込み」があったからだと思います。

しかし、今や日本球界のトップ選手というより、球団でトップ選手位の実力があればメジャーを目指すことは容易ですし、実際に実力を示している選手も出てくるようになりました。そうなれば、契約金はいくらでも出し、年俸は数十億クラスも夢ではないメジャーに選手が流失してしまうことは当然のことです。

私は、広島の新井が阪神に移籍したときは「金に釣られた」「裏切り者」と言うくせに、メジャーに行くと「おめでとう!メジャー移籍」みたいな風潮がマスコミを中心としてあるような気がずっとしています。
(絶対的なものではなく、たとえば中日ファンからすれば福留のメジャー移籍には複雑なところはあると思います)

私は前から言っているのですが、日本人はメジャー、メジャーとはやしたてている割にメジャーリーグベースボールという競技を見る姿勢が足りないと思っています。

サッカーでは一般ニュースでこそ日本人選手が何点入れたという程度ですが、深夜のサッカー番組では日本人がいるいないに関わらず競技自体を楽しもうというスタイルが定着しています。

これに対し、野球ではそれこそ「イチローが何安打」「松坂が何勝目」という個人記録ばかりに目が行って、チームが勝とうが負けようが日本人選手が活躍すればいいという
伝え方に終始し、プレイ自体を見ようという報道が感じられません。
 勿論、これはサッカーが継続的にプレイされるのに対し、野球が打席やイニングといった区切りがあって、個人成績が伝わりやすいという差はあります。しかし、いくらイチローが5安打打っても、チームが負けたら意味がないのです。ひどいときはチームの結果がテロップだけでおしまいという時すらあります。

私は選手にメジャーへ行くなとは言いません。条件がいいほうと契約しようというのは当たり前のことでしょう。問題は、日本球界がメジャーに対抗しようという意思と、ファンが「日本に残ってくれよ」という思いがもっと必要ではないかということです。

これから、メジャーへ行く選手はさらに増えるでしょう。そうして日本球界が空洞化したとき、日本で野球といえば、スポーツ観戦ではなく、メジャーの試合での打席や投球シーンだけを編集した「番組」になってしまう・・・そういう日がくるのではないでしょうか。